あらすじ
日本の山里で人々に慕われてきた妖術使い・葛城秀次郎。
「妖術さえあれば人は救える」と信じて疑わなかった彼は、政府の召集により帝都へ向かう。
そこで目にしたのは、魔導具と魔導機関――異国からもたらされた新たな力だった。
誇りを傷つけられ、心を揺さぶられた秀次郎は、さらにヨーロッパへと渡る。
航海の途上で出会ったのは、名門貴族の娘にして魔導具に精通する美しき女性、エリーゼ・ローゼンベルク。
彼女の称賛と優しさは、折れかけた秀次郎の心に新たな光を灯す。
しかし、ヨーロッパの街並みに広がる繁栄は、自然や幻獣の犠牲の上に築かれていた。
人を助けるための妖術、富める者だけが操る魔導具――二つの価値観の狭間で、秀次郎は苦悩する。
英雄ではなく、一人の人間として何を守るのか。
そして、エリーゼと共に歩む未来に、どんな答えを見出すのか。
――異文化の衝突と心の葛藤を描く、和と西洋のクロスオーバー・ファンタジー。