あらすじ
メレディス・アストンは、生まれも育ちもノリス・グリーン。濡れた煉瓦の匂いと、狭い路地を抜ける風の冷たさと、土曜の朝にどこからともなく聞こえてくる歌声で世界を覚えた。父に肩車されて初めてアンフィールドへ行った日、赤い波のようなスタンドの上で「You’ll Never Walk Alone」を歌った。幼い喉が震え、胸の奥が温かくなるのと同時に、ピッチの向こう側、ミッドフィルダーの背番号の動きに目が釘付けになった。エディ・マルサス。ノリス・グリーン出身、ユースからトップへ駆け上がり、ずっと赤を着続けてきた、街の「良心」と呼ばれる男。