あらすじ
父親と二人で暮らす高校三年生の倉田志映(しえ)は、ある日、ギターケースを背負ったミステリアスな雰囲気の同級生、桐生あやめに出会う。
“野良犬”みたいな眼をしたあやめの歌の吸引力と、何気ない会話から垣間見える別の一面。
志映はいつのまにか、つかみどころのない、あやめのアンバランスな魅力に惹かれていた。
あやめが大切にする音楽と、志映が紡ぎ出す言葉。
それらが交わるとき、心の奥に抱えた互いの喪失に灯がともる。
家族との関係や将来への不安、それから誰かを好きになるということ。
さまざまに悩みながらも、あやめと過ごす日々がゆっくりと志映を変えていく。
言葉にならない感情を持て余す青春時代の、名前のない関係性の物語。