あらすじ
俺は人生の結晶とも呼べる『フューチャープレディクション』というゲームの世界に転生した。
ただ、転生したのは主要人物ではなく——ダルム・フィルガルムという、原作において名前しか出てこないモブ。
しかし——俺にとっては好都合。寧ろ人生の全ての運を使い果たしたかの如く運が良い。
この名前しか出ないモブは、俺を二回も救ってくれた、とあるヒロインと関わりがあるのだ。
そのヒロインとは——シアラ。
ゲームに於ける負けヒロインである。
弟や妹のために暗殺者となった孤児の彼女は、主人公に出会うまでに仕事とはいえ数多の人間を手に掛けた。
故に優しい彼女の心は罪悪感に耐え切れず、崩壊寸前だったところを主人公に救われる。
だが、負けヒロインというだけあって——どのルートでも主人公と結ばれることはない悲運の少女。
彼女は——俺の生きる希望、人生の全てだ。
絶対に、幸せにしてみせる。
ゲームのように心が傷付くことなく、且つ主人公と結ばれるハッピーエンドを俺の手で作るのだ。
そのためならば、俺は厭わない。
例え辛く光のない悪逆無道な道でも、喜んで突き進もう——。
——なお、途中でシアラに気付かれ、とんでもない曇らせが起こることになるなど……知る由もない。