あらすじ
気がつけば、僕はもうこの世界の住人ではなかった。
朝の光に包まれても、教室のざわめきに耳を澄ませても、誰も僕の存在に気づかない。残された家族の悲しみ、空席となった机に添えられた花。すべてが「僕のいない日常」として流れていく。
そんな中、幼なじみのさつきと再び出会う。かつて一緒に笑い合い、時にぶつかりながら歩んできた彼女は、変わらず僕を思い続けていた。けれど、声は届かず、手を伸ばしても触れることはできない。言葉にできない想いと、もう戻れない時間。
死者と生者のあいだに横たわる距離の中で、僕は彼女に何を伝えられるのか。
淡く切ない、青春の物語。