あらすじ
生きることに苦しむ高二の主人公・水瀬ゆうは、屋上から飛び降りようと自殺を試みる。
しかし、その現場をクラスメイトの花咲月歌に目撃されてしまう。突如の出来事をきっかけに、月歌は水瀬ゆうの生活に入り込み、時に振り回しながらも、彼の孤独と痛みに向き合っていく。
月歌とともに過ごす日々の中で、水瀬ゆうは生きる意味を少しずつ見出し、希望を取り戻していく。
しかし、月歌自身にも『散灯病』という、やがて消えてしまう運命を背負っていた。
月歌の明るさの裏に隠された孤独や苦しみを知り、水瀬ゆうは自らの心の痛みと向き合うことになる。
そして月歌が消えてしまう直前、彼女がつけていた日記を渡される。
その日記には彼女も自分と同じような希死念慮や生きづらさを感じていたことが記されていた。
その事実が彼の胸に深い影を落とす一方で、彼に生き続ける勇気を与えることになる。
月歌の存在は消えた後も、水瀬ゆうの心の中で確かな光となり、彼は彼女のいない世界でも前を向き、力強く生きていく決意を固める。
『大きな月灯りの下で。』は、生と死、孤独と希望、痛みと再生を繊細に描き、失われたものの記憶。そして、過去とはなにか考えながらも前に進んでいく、そして生きる意味を見出す、普遍的なテーマを描いた青春物語。