あらすじ
極貧生活を送る北沢あかね。夕食にスキルで作った炊きたてのおにぎりと味噌汁を前に「いただきます」と手を合わせたその瞬間、玄関を揺るがす轟音が響いた。
恐る恐る外に出ると、そこに立っていたのは街で噂のトップハンター〈暴食〉の久遠紫己。
漆黒のコートに紫の瞳、美しい顔立ち……なのに響き渡るのは地鳴りのような腹の音!?
空腹に耐えかねた彼は土下座し「ご飯を食べさせてください!」と懇願する。
困惑しつつも料理をふるまったあかねのスキル。
その一口に紫己は震えた。
十三年間失われていた「味覚」が甦ったのだ。
強大な力と引き換えに味を失った孤高のハンター久遠紫己と、役立たずと笑われてきた“外れスキル”を持つ北沢あかね。
食卓から始まる奇妙な出会いは、やがて二人の欠けた心を満たしていく――。