あらすじ
兄、セドリックの策略により、知らない間に破滅を回避していたBLゲームの悪役令息「レオナルド・カルミア」は十二歳の時に交わした約束を夢に見た。起きた時には覚えていなかったが、その約束が胸につかえてしかたがなかった。父親に呼び出され、弟、アルフレッドがサザンクロス公爵家の婚約者を妊娠させたので賠償金を払うか、別の件で済ませるのか、交渉させろという内容を聞かされる。気の弱い父親の代わりとして交渉の席についたのはレオナルドだった。セドリックの策略により、十二歳からの十年間、引きこもり生活を続けていたレオナルドには自信がなかった。しかし、交渉の席につかなければカルミア伯爵家は潰れてしまう。重圧を抱えながら、交渉の席につく。交渉の場に現れたのは婚約者を寝取られたという張本人のジェイド・サザンクロスだった。ジェイドはレオナルドを試すような言動をしつつ、優位に話を進めていく。レオナルドが提案したものはすべて却下されたものの、ジェイドは「賠償金を無くす方法」を提案する。それがレオナルドとジェイドの婚約だった。レオナルドは十年間引きこもりの生活をし続けていたからこそ、外の世界に興味があった。ジェイドの提案はレオナルドに与えられた最高の機会でもあった。レオナルドは婚約を受け入れるとジェイドは喜んだ。その姿に見覚えがあるのだが、どこで見たのか、思い出せなかった。ジェイドが帰宅後、レオナルドはこの結末を父親に報告をする。父親はそれでよかったのかと問いかけるものの、他の方法は見つからず、結局、レオナルドの婚約を認めるしかなかった。
ジェイドと文通を始めることになったレオナルドの心境は少しずつ変わっていく。当初、強引な俺様野郎だと思っていたジェイドの優しさに触れることになり、レオナルドの凍り付いた心は少しずつ溶かされていく。送られてきた手紙を大事にする姿はまさに恋する乙女のようだった。
アルフレッドが帰宅し、事の真相を知る。なんと妊娠させたというのは嘘であったと発覚し、元凶である「クリス・チューベローズ」が伯爵邸に現れたのだ。アルフレッドが対応するというが、事の真相を知ったレオナルドは兄として黙っていられなかった。クリスと対面し、話し合いを行う。その話はまともなものではなく、クリスの異常な性格が浮き彫りにでただけであった。クリスには帰ってもらい、話し合いは終了する。その際、アルフレッドはクリスを庇うような言動をしていたのがレオナルドにとって気がかりであった。
レオナルドとジェイドがデートをすることになる。首都を見て回り、レオナルドは興奮した様子だった。屋敷の外に出たのは十年ぶりだ。かろうじて覚えている景色とは変わっていたものの、それすらも楽しく思えた。ジェイドがとっていた宿に到着するとジェイドがすぐに酒に溺れてしまう。意識がはっきりしていないジェイドを見てレオナルドは恋心を自覚するのであった。