あらすじ

「あの子、いいべ……」 ――え? 夜中の交差点。信号が変わるのを横断歩道の端で待っていたとき、隣に立った男がぽつりと呟いた。 ちらりと横目をやる。中年の男が正面をじっと見据えていた。無理やり整えたような茶髪に、若作りの服装。耳にはイヤホンもなく、スマホも持っていない。連れの姿もなく、どうやらただの独り言のようだ。 「あの子、いいべ……」 また言った。男の視線を追うと、向かい側に一人の女がスマホを見つめながら立っていた。肩まで伸びた黒髪が夜風にそよぎ、白いスカートがふわりと舞った。男が言っているのは彼女のことだろう。暗がりに包まれていて、はっきりとは見えないが確かに美人そうだ。

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小説を読もう2025/09/16
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