あらすじ
命ヶ為タクミ(40)は、ダンジョンに潜る姪の為、薬草を【魔改造】した。
通常であれば絶対的に不可能な【薬草の魔改造】を可能としたのが、彼の持つ固有スキル――【育児スキル】である。
過去、剣聖と称される程の強さを誇っていた当時中学生の彼は、己のスキルがダンジョンアタックにまるで無意味だった事実に、軽く絶望した。
だが、その絶望の象徴であった筈の育児スキル【まんま】、これが魔改造で一番役に立った。
【まんま】はタクミより年下の生物であれば、いかなる存在であれども――強制的に食事をさせる事が出来る。
プランターで薬草の種を育てていたタクミは、薬草の種を指定して【まんま】を発動させ、人間と同じ飯を喰わせた。
お粥とかA5牛とかブルーベル―とかホットドッグとかハバネロとかアヒージョとかブルーチーズとかくさやとかサルミアッキとか、いろいろ薬草にモグモグさせた。
結果、様々な追加効果がある薬草の栽培に成功したタクミは、姪の棘姫レモンに頼まれ、錬金術に手を出した。
薬草を魔改造したタクミは、当然錬金にも魔改造を加えた。
育児スキル【ねんね】。
錬金する窯の中の薬草などを対象に、すこやかに眠れる様なスキルを使ったのだ。
育児スキルは生物が対象なので、タクミもなんとなく、どうせ効かないだろうけどとりあえずやっておくか、程度の気持ちで【ねんね】を使用した。
しかし、忘れてはいけないのが――植物の生命力。
本体から切り離された木の枝は、挿し木する事で再び根付き成長する事が出来る。
今回錬金に使用されているのは、魔改造された薬草。
生命力にもたっぷりバフがかかっている為、生命力は激強である。
よって、しっかりガッツリばっちりハッキリと、育児スキル【ねんね】は効果を発揮したのだ。
そうやって魔改造錬金されたアイテムは――全て、とんでもないレベルの一品に仕上がっていた。