あらすじ
「文士Q」は自らを将来の“文豪”だと信じる無職の中年男。
彼は蛙のマルセル氏とともに、カフェーの片隅で日がな一日“執筆活動”にいそしむ。
が、その実態は、妄想・空論・誤読・自画自賛・敗北の繰り返し。
今日も書けない――否、“書かない”のである。
いつまで経っても完成しない「新作」。
そんな彼を温かく見守るカフェーの女給・ミホ嬢。
彼の創作活動に理解を示さない“悪妻”。
やがて、彼は文士たるべく熱海の温泉宿にて“心中”を企てる……。
文学と現実の狭間で妄想と敗北を重ねながら、それでもどこか前向きに生きる文士の、滑稽だが、しかし決して笑い飛ばせない、文学的日常の記録である。