あらすじ
千年前、勇者と魔王が相討ちとなった――そう伝えられてきた伝承。
だが真実は違った。
魔王の正体は、かつて世界を救った勇者ヴォルクス。
その記録は剣聖ゲオルドの手で封じられ、史書ごと闇に葬られた。
そして現代。
『菊一文字』を遺した刀工・則宗の末裔として、日本刀を打ち続けてきた一人の男がいた。
平和となった日本で刀を鍛える意味を見失いかけていた彼は、突如として異世界に漂流する。
そこは、冒険者とギルドが存在し、ダンジョンや魔獣〈モンスター〉が跋扈する世界。
だが、片刃の刀――すなわち日本刀は「異端」「不気味」と蔑まれ、誰にも受け入れられなかった。
虐げられながらも、彼はただ一心に刀を鍛ち続ける。
やがてその刃には、異世界の理に刻まれる力――【魔術刻印】が宿る。
炎を纏い、風を裂き、見えぬ盾となる片刃の剣。
不遇と孤独に抗い続けた刀鍛冶の業は、この世界において最強の武器となり、やがて隠された史書の宿命へと繋がっていく。