あらすじ
高校二年生の七海ユウキは、放課後の給食室の扉が存在と非存在を同時に繰り返す不思議な現象「シュレーディンガーの給食室」に気づく。幼馴染で物理部の時坂リンと共に調査を重ねるうち、小学校時代の虹色に輝く「奇跡のコーンスープ」に秘密があることを知る。そのスープが二人に量子状態を観測する特殊能力を与え、普段は見えない確率のゆらぎや時間の歪みを感じ取れるようになっていた。
二人が給食室の量子スープを調べると、そこに現れたのは次元料理人の田中ミライだった。彼女は次元を移動しながら「思い出の味」を再現し、人々の記憶から消えつつある大切な感情を守る使命を帯びていた。だが、人類の感情を非効率とみなす組織「効率化機構」が「思い出の味」を宇宙から消し去ろうと暗躍していることを告げ、ユウキとリンに力を貸すよう頼む。
量子スープを飲んだ二人は観測能力を強化し、消えかけた記憶の断片を探し始める。しかし効率化機構のエージェント、データ・マックスが記憶を次々と消去し、絶体絶命の危機に。リンの提案で、二人は虹色のコーンスープの記憶を核にして、数多の「思い出の味」の記憶を量子的に結合させて固定することに成功。記憶は現実に戻り、人々の心に再び甘い思い出が蘇る。
戦いの後、学校には食への関心が高まり、新たな日常が始まる。三年後、ユウキとリンは同じ大学の物理学科で量子力学を学びつつ、また新たな「思い出の味」を守る戦いに備えていた。次元料理人ミライからの次元メールで次の事件を知り、二人は決意を新たに未来へ歩み出す。友情と愛情、そして美味しい記憶を守る物語は、ここからも続いていく。