あらすじ

おだやかな夜雨を白い手で捲り上げて、来客が訪れた。  妙齢の女性が金魚鉢を持ってやって来た。両の手で大事に抱えてやって来た。  どこかとぼけた雰囲気を纏う彼女は、紫銀末の髪を耳に掛けていた。  鉢の中身がちゃぽりと跳ねる。  鮮やかな金魚が幽濫めいた。  しかし果たして此処は動物病院である。魚の診療は行っていない動物病院である。  彼女は神妙な面持ちで、鉢を受付にソッと置くと、肩掛けカバンから保険証を探し始めた。  珍妙な客である

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カクヨム
カクヨム2025/09/14
  • 現在の作品金魚の人魚