あらすじ
失恋の痛みに耐えきれず、屋上で死を考えていた女性の前に、突然ひとりの大学生の青年が「空から降って」現れる。死の理由を尋ねると、彼は「太陽がまぶしかったから」と答えるだけ。あまりに拍子抜けしたやりとりに、女性の心の黒い淀みは少しずつほどけていく。
青年に誘われ、ふたりはレンタカーで夏の山道を抜け、雪の残る長野の山へと向かう。滝を見下ろす雪景色の中で、互いの死の理由を打ち明け合い、ふとした瞬間に唇を重ねる。青年は「優しくしてくれた人にはこうする」と淡々と語り、女性は不思議な安らぎを覚える。
やがて降り始めた雪の中、ふたりは車で夜を過ごす。しかし翌朝、彼の姿は跡形もなく消えていた――。