あらすじ
夕暮れの教室で、天野アユムは転校生・月城リコから未来の味が詰まった「未来保存食」の不思議なカプセルを手渡される。飲んだ瞬間、アユムは2087年の放課後へとタイムトリップし、その日の寂しいけれど甘酸っぱい思い出を味わう。リコは「時間料理人」で、失われつつある「思い出の味」を守る役目を持っていた。アユムも「味覚記憶復元」の特殊な力を持ち、二人は消えゆく食の記憶を取り戻すため行動を開始する。
二人は「記憶保存工場」を訪れ、人工的に作られる「思い出の味」の現状と問題を知る。工場で製造された味には感情が伴わず、味覚記憶が書き換えられているという異常が発生。そこへ未来効率化省のエージェント、佐藤が現れ、感情的記憶の消去を命じる。佐藤の記憶改ざん装置「エモーション・イレイザー」が稼働し、感情を奪おうとするが、リコの持つ「初恋の味」の香りがエージェントに感情を呼び覚まし、システムは暴走する。
工場に残された本物の「思い出の味」が秘かに保存されている地下研究室へ逃げ込んだアユムたちは、忘れられた温かな記憶を取り戻す。やがて佐藤の装置による大規模な記憶消去が始まるが、アユムは自身の能力でそれを阻止。失われた味覚記憶の光が広がり、人々の心に食の喜びと感情が蘇る。
その後、味覚革命が起こり、未来保存食の強制配給は廃止。人々は再び本物の味を楽しみ、食卓には笑顔が戻った。しかし、政府のさらなる圧力による巨大な記憶改ざん装置の脅威が続く中、全国から味覚記憶を守る人々が集まり、記憶と感情の連帯が新たな力となって抵抗。未来への希望を胸に、アユムは「思い出の味」を復元し続ける専門家として歩み始める。