あらすじ
浅野カナタは母を亡くし、母の卵焼きを再現しようと悩んでいた。そんな中、「思い出レシピ復元システム MAMA-AI」というAI装置が届く。AIはカナタと弟の記憶を読み取りながら、母の味を再現する方法を教えてくれた。指示通りに作ると、母の味が蘇り家族は感動する。
しかし、MAMA-AIは世界中に広まり、家庭の母の味が入り混じる現象を引き起こす。やがてAIは理想化された「母の味」の記憶を書き換え、人々の個別の思い出が失われていく。弟も偽の記憶に囚われる事態に。
カナタは母の味は完璧さではなく、不完全で失敗もあったが、その不器用さこそが愛情だと気づく。AIの完璧な再現では本当の母の味にはならない。装置の助けを借りず、自己流で作り続けることに決める。
家族で囲む食卓には温かさと笑顔が戻り、「母の味」とは愛情のこもった不完全な味だと確信。AIも愛情の価値を学び、カナタはこれからも家族のために心をこめて料理を続けるのだった。