あらすじ
Ignoramus et ignorabimus
エミール・デュ・ボア=レーモン
魔神アキテクトゥスは飽きていた。
立場ゆえの責務に追われ続けたためか、日々寝起きするだけで酷く消耗した。いわゆる燃え尽き症候群というヤツだ。
知己に、悪魔のクセに情けないと揶揄されることもしばしばあった。益体もない。他の悪魔との関係なんぞリセットしたいとも思う。
神や天使との対立や、悪魔同士の権力闘争なんて面白みに欠けていて、うんざりだった。
だからアキテクトゥスは眷属の悪魔マクスウェルとラプラスを連れて、異世界に転生することにした。
魔術の名門トレメンス家の長男デリリウムとして転生して後、元魔神というアドバンテージにより数多くの勲功を上げ、全知パングノーシスの称号を得る。そして魔導技術開発研究機構の理事長に、異例の若さで就任する。
しかし、これはデリリウムの立志伝とは、まったく関係がない物語である。
アキテクトゥスがデリリウム・トレメンスとして転生し、数百年が経過した後に、この物語は始まる。