あらすじ
高校二年の神宮寺 菊之助は、
弓道部の部長にして、たったひとりの選手。
かつては実力あるエースとして注目されていたが、
とある事件がきっかけで
いまや残ったのは、幽霊部員が数名と、たった一人のマネージャーだけ。
そのマネージャー、神城 櫻子。
菊之助の一つ年下で幼なじみであり、
彼を誰より近くで見てきた存在。
ずっとそばで支えてきた。
ずっと秘めてきた想いがあった。
でも、それを言葉にしたことは、一度もない。
そして菊之助もまた、
同じ想いを抱えたまま、ただ静かに弓を引いていた。
互いに気づいているようで、
気づかないふりをしているふたりの距離。
それでも、心は確かに揺れている。
弓道場に響く弦の音とともに――
これは、
まだ届かない想いを、矢に託して放つ
不器用でまっすぐな、ふたりの恋の物語。