あらすじ
テーブルの上のトーストを咥え、私は玄関を飛び出した。
――あと一分! 遅刻は絶対に嫌!
頼む、バス遅れてて……!
全力で走って交差点に飛び込む。ちょうど向かいのバス停にバスが止まっていた。
信号は赤。だが、今遅れたら一限目の数学、伊東先生だ……!
ちらりと道路を確認。車は来てない。
いける!
そう、思ってしまった。
——右しか見ていなかったのに。
ぱぁーーーーん!!
耳を劈くクラクション。
視界の端から迫る巨大な影。
——死んだ。
脳がそう理解するより早く、心が叫んだ。
いやだ、死にたくない!
いやだ、いやだ、いやだ——!