あらすじ
「今度もまた、痴女もの?」
「いいじゃん! 可愛いんだから!」
教室でエロ漫画を読んでいる彼女の名前は、森美羽。
二年に上がって間もない春。新入生の少女、新田魁利との出会いで、止まっていた運命の歯車は動き出す。
「自動車競技部に入ってもらえませんか?」
「入って私にどうしてほしいの?」
「……公式戦に一緒に出場してほしいんです」
「お断りだよ」
前途多難であったはずが――
「森美羽……。本当にあの人が、速いの……?」
全国高等学校自動車競技大会。
それは、自動車産業大国とも呼ぶべきこの日本で誕生した、公道を封鎖し高校生が速さを競う自動車競技である。
この年、我こそはと名乗りを上げた多くの高校生たちの中に、才能から目を逸らし続けた一人の少女がいた。
自動車を自らの手足のように操ることの楽しさを思い出した少女の活躍は、高校自動車競技史に残るほどの華々しいものとなるのだが……。
そのことを今はまだ誰も知らない。