あらすじ
この世界で「勇者」と呼ばれる資格はただひとつ。
――魔王を倒した者だけ。
倒す前に「勇者」って名乗るやつは、ただの詐欺師か頭のおかしいやつ。
だから世の中に“自称勇者”はごまんといるが、本物は歴史に数人しかいない。
そして今また、一人のポンコツ冒険者が夢を見た。
Eランクのまま5年くすぶり続けた男、ライル・クローバー。
剣の腕は皆無、魔法もダメ、戦闘は足手まとい。
だが――なぜか運だけは異常に良い。
「魔王倒せば、俺も勇者だろ!」
軽すぎる動機で始まった旅。
集まった仲間はみんなクセだらけ。
元貴族のお嬢様で守銭奴の弓使いセリナ。
鍛冶しか能がない戦士ベル。
見た目は幼女、中身は300歳の皮肉屋魔法使いミミル。
冒険どころか、飯代すらままならない旅路。
それでも彼らは進む。
……なぜなら、止まったら借金取りに追いつかれるから。
勇者って名乗れるのは魔王を倒したやつだけ。
なのに俺ら――まだ宿代すら払えてない。