あらすじ
戦乱に明け暮れる国。
民は旗印にすがり、白は正義、黒は逆賊と信じ込まされていた。
処刑台に立たされたのは、一人の少女。
「逆旗〈さかばた〉」と罵られながらも、彼女は最後まで微笑みを失わなかった。
だがその運命は走馬灯のように過去を呼び覚まし、彼女が英雄となった日々を映し出す。
町を襲う兵に立ち向かい、人々を励まし、数々の戦場で奇跡の勝利を重ねる少女ルミナ。
その傍らには、汚れた血筋を持ちながら知恵で彼女を支える少年「でもい」がいた。
二人は力と知恵を合わせ、民の希望の象徴となってゆく。
しかし、組織が膨らむほどに権力の影が忍び寄る。
領主や貴族は少女を利用し、少年を遠ざけ、勝利はやがて失われていく。
そして現れた新たな英雄の登場が、彼女を“不要”とする流れを決定づける。
虚像の英雄として持ち上げられ、やがて「逆旗」として切り捨てられる少女。
その結末を見届けた少年は、月明かりの下でただ一人、彼女の微笑みの意味を抱き続ける。
歓声にかき消された鈍い音。
あの瞬間、彼女が何を託したのか――その答えを探すために、少年の旅は続いてゆく。