あらすじ
1972年、ロンドン、霧の港街バークレービルズ。
詐欺師の兄**ジョニー**と、血の気の多い弟**ショーン**。
孤児として育った二人は、この錆びついた街で「何でも屋」を営み、その日暮らしの生活を送っていた。彼らの武器は、兄の天才的な頭脳と、弟の度胸、そして何よりも互いへの絶対的な信頼だけ。
「生きるためならなんだってやるさ!殺し以外はな」
そんな軽口が、二人の日常だった。
ある日、街にひとつの大きな噂が流れ着く。
**「もうすぐ入港する貨物船に、マフィアが取引する莫大な“お宝”が積まれている」**
ドラッグ、拳銃、そして眩いばかりのダイヤモンド――。
それは、二人の人生を永遠に変えるほどの、一世一代のチャンス。
しかし、その“お宝”の背後には、ロンドンの裏社会を牛耳る冷酷非情なギャング組織「キングスマン」の影があった。街の誰もが恐れる本物の悪党を前に、仲間たちは次々と去っていく。
**「やばすぎる」「命がいくつあっても足りない」**
それでも、兄弟の決意は揺るがない。
**「上等だ。俺たち二人でも、やるぜ!」**
失うものなど何もないはずだった。
しかし、ショーンの謎めいた恋人**マリア**が計画に加わったことで、完璧だったはずの兄弟の世界に亀裂が走り始める。彼女は兄弟を上回る冷徹なペテン師だったのだ。
兄を信じるか、恋人を信じるか――。
究極の選択を迫られた弟が下した、あまりにも悲しい決断。
それは、すべてを欺くための壮大な芝居の始まりだった。
最高の計画は、最高の地獄へと続いていた。
すべてを手に入れ、すべてを失った兄弟の、痛切なクライム・ノワール。
**彼らが最後に信じた嘘が、真実だった。