あらすじ
帝国は北方戦線で大敗を喫し、西方属州は次々と離反しつつあった。威信を失いつつある帝都では、滅亡の足音が聞こえている。そんな中、宰相ドルマン侯爵はかつて禁じられていた「吸血姫」の封印を解き、彼女を兵器として復活させることを決断する。
伯爵家の令嬢レオノーラ・フォン・ヴァルデンは、その「吸血姫リュシエンヌ」の監視役に任命される。少女の無邪気さと危険性の両方を併せ持つ彼女——人々は彼女を怪物と呼び、また帝国の希望の切り札とみなす。監視役であるレオノーラは、任務の重さと倫理観の狭間で揺れながらも、リュシエンヌとの契約を結び、人間としての繋がりを築こうとする。一方、帝国内では宰相と古参の元老院議員たちの間で、吸血姫の運用をめぐる政治的抗争が激化していく。
この物語は、兵器と友との間で揺れ動く少女たちの絆、そして帝国の運命を賭けた戦場と政治の暗闘を描く。友情と愛、裏切りと覚醒が交差する、重厚な百合戦記譚。