あらすじ
「あなたにとって、ロックとはなんですか?」
2023年、春。奈良の南部、暁月町。
幽霊が視える、人の気持ちが分からない高校生、星野悠月は、“狐の痣を持つ不気味な霊”と、“歩く影法師”の噂を耳にする。
その日、恋人である暁月花音とともにバンドの練習へ向かう途中、突如千もの影が町を覆いつくした。人も町もぱたりと眠る、百鬼夜行じみたこの状況を鎮めるべく、悠月は暁月神社に収められた妖刀に触れる。
瞬間、頭に流れ出す――100年以上も前の誰かの記憶。封印されたいつかの錠が外れるとき、過去から現在へと続く、ひとつの謎が浮き上がる。
そうして悠月が出逢う、“未来”へと繋がる、ほのかな少女。
江戸、明治、大正、昭和、平成、令和――。
この物語は、時代に取り残されて生きる、生きた人たちが、視ようとせずとも視えてしまう、ぼやけている過去やまだ透明な未来を、幽霊たちとの出逢い、そして、いつでもそばで鳴り響く音楽に乗せて、それぞれの『ロックンロール』を紡いでゆく、100年ちょっとの青春怪異譚。