あらすじ
その日、ひとりの弟が生まれた。
家族は喜びに包まれ、家の中は新しい命の光で満ちていく。
だがその隣で、兄セオの胸に広がったのは、誰にも気づかれない寂しさだった。
母の視線も父の笑顔も弟へ向けられていく。
愛を求めながらも、セオは「家族のため」に笑い続ける。
その小さな心がひび割れていくのも知らぬままに――。
ある夜、村を襲う災厄が家を呑み込む。
迫り来る闇の中、セオが選んだのは逃げることではなく、守ることだった。
最後に響いたのは、母の優しい声。
それは彼にとって、何よりの祝福だった。