あらすじ
あらすじ(ネタバレ有)
ソコラノテレビの人気特番『推理スペシャル』は三十周年にして、大ピンチに陥っていた。脚本を担当する小説家が、いつまでたっても脚本を書かないためだ。
挙句の果てに脚本家が謎の記憶障害(?)になってしまい、もはや執筆は不可能になってしまった。
現時点でできているのは、予告映像だけ。
椅子に座ったままで死んだ被害者。
それを見て驚愕する被害者の妻、メイド、被害者の息子という三人の容疑者達。
そして、「これは、密室殺人です!」という探偵の宣言。
予告映像は、たったこれだけ。
プロデューサーの水柄辰也は新たな脚本家を探すのだが、スケジュールが急すぎて全く見つからない。
なんとか予告映像と齟齬の無い密室トリックを作ろうと、スタッフや俳優にアイディアを求める水柄。だが、ド素人がそんなもの都合よく考えつくわけもなく、出てきたものといえば……
「室内に毒を持つ生き物を入れた」「実は被害者が死んだフリをしていて、その後本当に殺された」「犯人はずっと部屋の中に隠れていて、遺体発見のどさくさに紛れて逃走した」「テグスを使って外からカギをかけた」
など、よく考えるとどこかがおかしいものから、
「エアコンをハッキングして熱中症にして殺した」「催眠術で殺した」「外でバラバラにした遺体を小窓から室内に入れて接着剤でくっつけた」「屋根に穴を開け、垂らしたロープで絞殺した」
など、考える間もなくおかしいものまで。
どれもこれも、到底使えない穴だらけの密室トリックだった。
後がなくなった水柄は、既存の小説のアイディアを使ってしまおうと考える。
しかし、ADに買いに行かせた小説に出ていたのは
「魔法を使った」という、もはやトリックとは言えないようなもの。
しかし、やけになった水柄は魔法でいくことにして撮影を進めてしまう。
だが、事実は小説より奇なり。出演者のスキャンダルという思いもしない形で、作品はお蔵入りに……。