あらすじ
地球で傭兵として生きていた正嗣は、精霊リュティアとの契約により異世界ラグナ・ヴェイルへと召喚される。彼が辿り着いたのは、善なる神ルミエルと悪しき神ヴァル=ノクスの代理戦争の末に生まれた神秘の森だった。
この森では時が歪み、内部での一年は外界のわずか数日に過ぎない。そして森の奥深くには、かつて封印された異端の竜グラディア・ノクスが眠っている。正嗣に課せられた使命は、森の守護者たちを次々と倒し、その力を継承することだった。
重力を操る狼、霧に紛れる虎、空間を歪める蛇――守護者たちは容赦なく正嗣に襲いかかる。彼らは指導者ではない。ただ殺意を向ける絶対的な試練だ。血を流し、骨を折り、それでも立ち上がる度に、正嗣は新たな力を手にしていく。
しかし力を得る代償として、彼の人間性は静かに削り取られていく。痛みへの鈍感さ、感情の希薄化、機械的な思考――リュティアは淡々とその変化を記録し続ける。
やがて正嗣は封印されし竜グラディア・ノクスと邂逅し、全ての力を統合する。だが彼の運命は、愛する者を守るために簒奪者の汚名を背負い、悲劇的な死を迎えることだった。
これは一人の男が力を求め、それでもなお誰かを守ろうとした物語である。
一章終わるまで、毎日更新で朝6:00に更新します。