あらすじ

蔵の中は、完璧な密室。男を殺したのは、人か、それとも面に宿る怨念か。 武蔵野の面影が色濃く残る昭和二十年代。土地の名家として知られる旧家・久我原家には、一つの忌まわしい伝説があった。見た者は必ず狂い死にするとされる、呪われた能面「怨相(おんそう)の面」。 ある朝、その能面が納められた土蔵で、当主・久我原玄一郎が死体となって発見される。蔵の扉は内側から固く閂(かんぬき)が掛けられた完全な密室状態。そして、玄一郎の顔には、この世のものとは思えぬほどの恐怖が刻まれていた。 家人や村人たちが「面の祟りだ」と囁き、恐れる中、この奇怪な事件に挑むのは、しがない怪奇小説家の「私」と、神保町で古書店「彼岸堂」を営む博覧強記の男・常磐木(ときわぎ)。 これは人の手による巧妙な殺人か。それとも、伝説通り、面の呪いがもたらした超常の悲劇なのか。 常磐木が、憑物落としのごとく言葉の刃で人々の心に巣食う「思い込み」を剥がしていくとき、その先に現れる事件の真相とは――。

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カクヨム
カクヨム2025/09/11
  • 現在の作品怨相の蔵