あらすじ
下級貴族の娘シモーヌは、いつだって花畑の散歩と、焼きたてのタルトや濃厚なクリームケーキのことばかり考えている。
なのに――なぜか「王家を乗っ取ろうとしている」「王子を狙っている」などと噂され、王子の婚約候補に選ばれたせいで女官たちにいじめられてしまう。
「……わたしはただ、美味しいスイーツが毎日食べられるお金持ちと結婚できればいいのに」
しかし「金目当て」だと冷たく糾弾され、傷ついたシモーヌは自ら王宮を去る決意をする。
行き場を失った彼女に声をかけたのは、郊外の土地を持つバルトン男爵。彼もまたお金と美味しい食卓を愛する、シモーヌと似た者同士の人物だった。
「花畑を広げれば観光収入になりますね」
「甘味処を作ればもっと資金が回りますわ!」
利害の一致から始まった二人の結婚生活は、やがて「愛」と「甘いスイーツ」に包まれた幸せな日々へと変わっていく。
――これは、王宮を追われた「お花畑娘」が、真に自分らしい居場所を見つける物語。