あらすじ

雪深い森の奥、梨奈は気がつくと古びた館の前に立っていた。玄関には赤錆びた鉄の看板――「夜の十二時までに全員の秘密を暴け」。背後から現れた執事・黒瀬に促され、彼女は重い扉を押し開けた。

 広間に集められたのは八人。館の管理者・片桐誠一、盲目の老婦人・成宮巴、元刑事・大谷弘樹、作家志望の岸野悠、医師・春原美沙、そして無口な少年。誰もが何かを隠している気配を漂わせていた。黒瀬はオルゴールを巻き、低い声で告げる。「十二時までに秘密を暴けなければ、誰かが消える」

 探索が始まると、館の奥に奇妙な痕跡が現れた。片桐は地下で「二十年前に八人行方不明」と報じる新聞を燃やし、大谷は手帳に「次は元刑事」と書かれた記録を見つける。春原は温室で薬草の根に絡む骨を発見し、岸野の原稿には“梨奈が階段から突き落とされる”未来が書かれていた。

 やがて黒瀬が忽然と姿を消す。広間には「七人」とだけ書かれた紙。館はまるで、生き物のように人を数えているかのようだった。恐怖と疑心の中で秘密が一つずつ明かされる。春原は森の植物を研究目的で探していたこと、巴は「盲目は偽り」だと告白する。岸野は自分の原稿が未来を示していると震えながら語った。

 次に消えたのは大谷。血の跡が館の奥へと続き、少年は無表情で「影が来る」と呟いた。残された者たちは、秘密のリストを手にする。最後に記されたのは「名も無き少年――影の使者」。片桐は告げた。「この館は時の狭間にある。真犯人は…お前だ」少年は微笑み、「森の心臓部へ連れて行け」と囁いた。

 秘密の通路の先に広がる地下空間。黒い蔦が絡み合い、巨大な心臓のような塊が脈打っていた。それこそが呪いの源、“森の心臓”。春原は研究のために力を奪おうとし、黒瀬は背後から再び現れ、全てを操っていたことをほのめかす。混乱の中、岸野は原稿を心臓部に投げ込んだ。「物語を終わらせる!」紙は炎に包まれ、光が爆ぜ、蔦は崩れ落ちていく。

 雪原に立つ梨奈は呟いた。「これで…終わったの?」しかし遠く、木々の影に無口な少年が立っていた。影は消えていない。呪いはまだ森に息づいている――そう告げるように。

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アルファポリス
アルファポリス2025/09/11
  • 現在の作品八つの秘密と影〜呪われた森の真実〜