あらすじ

十歳の斎藤蓮は、家族と共に仙台から沖縄への観光船に乗っていた。夜更け、台風による暴風雨に船は襲われ、沈没の危機に陥る。混乱の中、蓮は救命具を握りしめ漂流する。目の前には、同じ年頃の少女・白石真琴が流木にしがみつき、血に濡れながら必死に助けを求めていた。 しかし、蓮には少女から漂う異様な匂いが分かった。それは、生々しい血と鉄のような「死の匂い」。嗅いだ者の心を凍らせるその感覚は、蓮だけにしか分からない力の兆しだった。必死に手を伸ばすが、波に引き裂かれ、真琴は目の前で沈んでしまう。蓮は初めて死の匂いを嗅ぎ取り、その衝撃と後悔を胸に刻む。 あれから十数年――。成長した蓮は、日常の中で「死の匂い」に再び気づく出来事に遭遇する。誰も気づかない死の気配を嗅ぎ分ける能力に苦悩しながらも、彼の人生はある少女との出会いによって変わり始める。命の儚さと向き合い、愛する人を守ろうとする少年の成長と葛藤を描く、心揺さぶる物語。

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小説を読もう2025/09/10
  • 現在の作品死の匂いを嗅ぐ人