あらすじ

日本の音大に通う菊池悠太は、ある日街角のストリートピアノで演奏する桜井ありさに出会う。 金曜の夕方、彼女が必ずその場所で奏でる旋律を、悠太は決まって近くの休憩スペースでコーヒーを飲みながら聴くようになる。 それは彼にとって、週に一度のささやかな楽しみだった。 ある日、演奏を終えたありさが微笑みかけてきた。 「いつも、ここで休んでいらっしゃいますね」 不意の声に驚きながらも、悠太は答える。 「好きなんです。きらきら星変奏曲……」 その会話をきっかけに、二人は毎週金曜の夕暮れを共にするようになる。 ある時——ありさは自身のことを打ち明けた。 「実は、私……去年の十月より前の記憶が、全部ないんです」 記憶を失った少女と、ピアニストを目指す青年。 やがて二人の旋律は、過去と未来を繋ぐかのように重なっていく——。

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小説を読もう2025/09/10
  • 現在の作品君と奏でる旋律