あらすじ
――こちらは長編の連載版です――
「ヴィオレット、貴様との婚約は破棄する! そして、その罪深き行いを断罪する!」
華やかな舞踏会、シャンデリアの光が煌めく夜。ボーフォール侯爵令嬢ヴィオレットは、婚約者であるはずの第一王子オーギュスタンから、冷酷な言葉を浴びせられた。
身に覚えのない罪状、嘲笑する人々、突きつけられる極刑宣告――紫色の瞳に焼き付いたのは、『奇跡の植物リュミエール』の啓示とも言える悪夢のような未来だった。
♢♢♢
十歳の誕生日、王子との婚約式を境に、ヴィオレットは【予知夢】に苛まれるようになる。婚約破棄、断罪、極刑……恐怖に心を閉ざすヴィオレットに、忠誠を誓う専属執事レオンが囁いた。
「お嬢様、私にお任せください。そのような未来は断じて来させません」
献身的なレオンに、ヴィオレットの心は徐々に惹かれていく。冷静沈着な仮面の下に隠された優しさ、主への絶対的な忠誠心、そして時折見せる憂いを帯びた表情……。
一方レオンもまた、美しく聡明に成長していくヴィオレットに、秘めた恋心を募らせていた。
「お嬢様にとって、私はただの執事。決して、それ以上には……」一線を引くレオン。しかし、抑えきれない想いが、二人の距離を近づけていくのだった――