あらすじ
椿露華(つばき・ろか)は、路地の小さな店で薬師見習いをしている。人の体臭や汗、壊れた器の匂いから“何が起きたか”を嗅ぎ分ける才能を持つが、誰にも理解されない日々。ある日、王都からの急使が現れ、半ば強引に皇城へ連れて行かれる。側近が原因不明の発作に倒れ、都は“薬害”の噂で揺れていたのだ。露華が嗅ぎ分けたのは、記憶を溶かす禁草(こくそう)の余香。誰かが人々の過去を塗り替えようとしている――。薬で人を救いながら、陰謀を暴く少女の嗅覚は、やがて王都の運命を左右する鍵となる。冷静で無骨な特務官・蒼井霧夜とぶつかり合いながら、互いの弱さを知り、少しずつ信頼を築いていく。