あらすじ
聖女エラーラは、人々を癒やす奇跡の力と引き換えに、大切な記憶を失い続ける少女。書記官の青年リアムは、彼女が忘れた全てを記録し、その一途な想いで彼女を支えるが、彼の愛情が彼女の記憶に留まることはない。
不治の病「灰死病」が国を襲った時、二人の旅は過酷な試練へと変わる。人々を救うため、自らの記憶と存在を摩耗させていくエラーラ。彼女を守りたいと願うリアムは、やがて国を救う唯一の手段とされる禁断の儀式にたどり着く。だが、それにはあまりにも非情な代償が求められた。
世界を救うか、愛する一人の人間性を守るか。究極の選択を迫られた時、二人が下す決断とは——。
これは、記憶と自己犠牲、そしてただ一つの愛を巡る、切なくも美しい物語。