あらすじ

16世紀、城塞に秘められた「血の伯爵夫人」の伝説──若さを保つため、処女の血を浴びたと噂された美しき女。しかし真実は、嫉妬と権力と恐怖が絡み合った、もっと暗く血塗られた物語だった。 現代、かつて伯爵家の領地だった廃城の町。ユリア・ヘルツ――外見18歳、しかし実年不明の少女は、ある夜、血に濡れた古い肖像画の前で目覚める。記憶は断片的で、自分がなぜ不死であるのかすら分からない。唯一の手がかりは、掌に刻まれた薔薇の紋章と、夜ごと囁く悪魔のような声――契約者アクレムの誘いだ。 過去を追ううち、ユリアは城の古文書に「ある女貴族」の名を見つける。若返りの血の儀式。不可視の存在との契約。気づけば、ユリアはその女の血を受け継ぐ者であり、自らの不死は人々の不幸と引き換えに成立していることを知る。命を奪われた者たちは崩れ、嫉妬と悲劇の連鎖が町を覆う。 ユリアは契約を断ち切ろうとする。友情、愛、憎悪――人間たちは救いを願い、彼女に寄り添う。しかし悪魔は微笑みながら駒を動かし、関わった者たちを悲劇へ導く。愛する者は死に、嫉妬に狂う者は自らを滅ぼす。正しく選んでも報われず、最後に残るのは、美しく散る薔薇と永遠の孤独だけ。 これは、不死と美に囚われた少女が「誰も救われぬ世界」で抗い続ける記録――。救いは存在しない。

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小説を読もう2025/09/09
  • 現在の作品血薔薇の誓約――誰も救われぬ永遠の姫