あらすじ
「お前は勘当だ、サンジュ!貴様のせいで我が家は大損だ!我が家の恥さらしめっ!」
主人公の「サンジュ」は、見知らぬ治療室のような場所で目を覚ますが、自分の名前を含め一切の記憶を失っていた。
意識が朦朧とする中、父親と名乗る男から「一族の恥さらし」と激しく罵倒され、決闘に敗れた罪で勘当と追放を一方的に言い渡される。しかし、記憶のないサンジュには状況が全く理解できず、男が誰かすら――いや、父とは何かすらわからない。
男が嵐のように去った後、現れた一人の美しい金髪の少女。彼女は親しげに話しかけてくるが、サンジュは彼女のことも思い出せない。サンジュが記憶喪失であることを知った少女は、驚きと困惑を隠せずにいた。
聞けば、彼の『前世』とでもいうべき「サンジュ」は鼻持ちならぬ男、蛇蝎のごとく嫌われているのだという。
家柄も財産もなく、友人と呼べそうなのはこうはいを名乗る少女のみ、あまつ記憶さえも失ったサンジュの新たな人生が、混乱の中から始まる。
あらゆる人間から蔑まれる彼は、しかし、以前と変わった自分の善性に従い、無自覚に、意図せぬままに、消えてしまった過去を懐かしむことすら忘れたまま、次々と襲い掛かる「誰かの破滅」を粉砕していく。
その果てに、彼は自分の記憶を取り戻せるのだろうか?あるいは、何も取り戻せぬまま、この地に果てるのだろうか?自身の善良さとそれによって与えられた力で悲劇を壊していく男の話はどこに行きつくのか?