あらすじ

かつて俺は「剣神」と呼ばれた。 あらゆる戦で先陣に立ち、あらゆる魔物を倒し、魔王はもちろん悪神さえも斬り伏せた。 人々は喝采を浴びせ、国王からは恩寵を賜った。 ――だが、俺は強くなりすぎた 騎士団の連中は俺を恐れ、嫉妬した。王国の均衡を乱すと囁き、俺を貶めるための糸を引いた。 やがて「反逆の罪」を着せられ、俺は断罪の場に立たされた。 群衆の罵声を浴びながら、火刑台に縛られた時、妙に清々しい気持ちだった。 ――俺は強すぎる ――神々さえも俺を相手しちゃくれない ――誰もが俺の剣ではなく名誉や肩書ばかりを見ていた 俺が消えることで、この国が安寧を得るなら、それでいいと ――疲れ切った心でそう思った それなのに意識を取り戻した俺は「悪華令嬢」と呼ばれた少女に転生していた。 美しいが傲慢とされ、俺に匹敵するほど宮廷で不評を買っていた。 俺は「悪華令嬢」という汚名のままで静かに弱く生きようと思った。 己を抑え、傲慢と陰口を叩かれても黙ってやり過ごす。 目立たず、剣を振るわず、ただ日々を陰で過ごす。 そんな日々の中でただひとり、俺を気にしてくれた貴族令嬢がいた。 穏やかで優しい娘で、俺のような「悪華令嬢」に笑みをくれる不思議な存在だった。 しかし穏やかな日々は長くは続かず、その娘が悪辣な王子の策略に嵌められる現場に出くわしてしまった。 策略の背後には、俺を処刑へと追い込んだ黒幕の騎士団長の影もある。 俺はその娘を救うため、それだけのために決意を翻した。 前世のように全力を晒したら、また断罪台に立つ羽目になるだろう。 だから誰にも気づかれぬよう、誰にも俺の正体がわからぬように。 俺は陰の中で剣を振るうことにした。

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カクヨム
カクヨム2025/09/08
  • 現在の作品剣神と呼ばれたおっさん、騎士団の嫉妬で断罪処刑されて悪役令嬢に転生。自惚れた若い騎士団長や黒幕の若いイケメン王子に実力を隠してざまぁする