あらすじ
小説紹介
フランス、ルイ十四世の時代。
没落した小貴族の次男アルマンは、幼い頃から繁雑な礼儀と親の強制する縁談に縛られてきた。婚礼前夜、ついに家を飛び出す。
旅の途中、彼は一人の美しく奔放な青年と出会う。
その青年は自らを子爵の末裔と称しながら、貴族らしい堅苦しさはなく、まるで自由気ままな侠客のようだった。二人は剣を交え、やがて道連れとなる。機知に富み、洒脱な笑みを浮かべるその姿は、アルマンが夢見ながらも決して手にできなかった生き方そのものだった。
だが共に過ごすうちに、違和感は募る。彼は貴族というより、むしろ商人に近い。そしてアルマンをさらに苦しめたのは、自分が次第にその「少年」に心惹かれているという事実であった。男同士、そして階級の隔たり――それは許されざる恋。
やがて運命は二人を翻弄する。
青年は謎めいた旅芸団に捕らわれ、アルマンは命がけで救い出す。だがその瞬間、衝撃の真実が明かされる――。
彼が慕い続けてきた「少年」は、実は男装の令嬢であり、名門モンフォコン公爵家の娘だったのだ。