あらすじ
異世界に放り込まれたのは、ただの米農家だった。
力も神通力もない。できるのは、稲を育てることだけ。
廃業を決意したその日に、米田稲夫は祈りを捧げた神社から異世界へ召喚されてしまう。
彼を待っていたのは、村を滅ぼされ逃げ延びた巫女ミズキと戦士長タケル。
二人が託してきたのは「神の糧」と呼ばれる最後の米の種籾だった。
「豊穣の神よ、どうか我らをお導きください!」
涙ながらに祈り伏すミズキ。
(ちょ、待て待て!俺は神様じゃなくて、ただの米農家だから!)
否定する間もなく、稲夫は“豊穣の神”として祭り上げられてしまう。
しかし一方で、タケルの瞳には鋭い疑念が宿っていた。
「もし神でないと分かったときは――俺が斬る」
(ちょ、待て待て待て!ただの農家に死刑宣告は重すぎるだろ!)
神でないとバレたら即処刑。
こうして稲夫の、命をかけた――いや、首をかけた米づくりが始まった。