あらすじ
東京で働く大輝は、同僚で恋人の杏香と共に、昼休みに街中の小さな定食屋「田舎屋」を訪れる。そこで目にしたのは、白い割烹着を纏った老婆――かつて大輝が心の底から愛した、お婆ちゃんを思わせる姿だった。
その味噌汁は、幼い頃からの記憶に残る、祖母の料理の味そのもので、苦手だったはずの祖母の手仕事の温かさや愛情が、ふとした瞬間に蘇る。大輝は思い出と現実の間で揺れながら、杏香の支えにより、祖母の味を追い求め続ける自分の想いと向き合うことになる。
東京の喧騒から北へ、山あいの古民家まで、少年時代の郷愁と家族への愛情、そして大人になった自分の恋心が交錯する物語。味噌汁を通して、記憶と愛情の温もりを描いた、甘くほろ苦い夏の物語。