あらすじ
「フローレンスさん……でしたか。貴方は、私の婚約者であるポール様へ、真の愛を感じているのですか?」
「は、はい。リスノワール様には、大変申し訳なく思いますが……彼を一生支えていきたいという気持ちに、今も変わりはありません。」
「……そうですか」
大したものだ。普通ならば好いた男に婚約者がいたと分かれば幻滅し、頬を引っ叩きそうなものだが。これも恋心がもたらす強さなのだろうか?あるいは私とは違う色の血が流れているのか。
「わかりました」
「分かってくれたか」
私の一言で何か誤解したのか、向かいの二人はホッとした様子だった。だがその緩んだ顔は、次の一言によってすぐに冷え固まった。
「しかし婚約破棄には同意しません」