あらすじ
目を覚ましたとき、私はもう“私”ではなかった。
水面に映ったのは、背の高い青年の姿。低い声、広い肩、見慣れない手の大きさ――心は女のままなのに、身体は異世界の男へと変わっていた。
どうして私がここにいるのか。なぜこの姿なのか。その答えを探すように、私は旅に出る。
優しい聖職者の少女エリナ。真っ直ぐな冒険者カイル。
仲間に囲まれて笑うたびに、「男として生きろ」と迫られるたびに、胸の奥で“本当の私”が軋む。
それでも、彼女を守りたいと思った。彼女に触れたいと願った。
男でも女でもなく――ただの「私」として。
これは、異世界に転生した一人の少女が、自分自身を見つけるまでの物語。