あらすじ
かつて世界を救った魔法少女たちは、使命を終えたのち大人になれず、逸脱と退廃に沈んでいった。
青春を差し出した代償は、学業の空白と社会からの断絶。“空白の世代”と呼ばれる彼女たちを監視・処罰するために生まれたのが「魔法少女懲罰委員会」である。
新人調査官・玄田ススムは、氷のような美貌を持つ先輩・茉莉木ユキノと共に任務へ就くが、二人を待ち受けていたのは『蔵』と呼ばれる不可思議な空間だった。
そこでは幻影と呪いが渦巻き、二人は《融和》という形で一つになる。
──容姿と声は茉莉木、しかし心と体は男のまま。
中性的な金髪の美男子《玄田マリン》として生まれ直した彼は、茉莉木の素養を纏いながら、名もなき少女として振る舞うことを余儀なくされる。
その姿で潜入するのは、孤島「ウテロ島」。
そこには、永遠の十九歳を掲げる銀髪の“少女帝”が支配する「青春帝国」が築かれていた。帝国の住人たちは制服を纏い、点呼や補習を儀式のように繰り返す。甘美で倒錯した百合の気配が満ちる一方で、裏切りと補修の恐怖が少女たちを縛っていた。
帝国の中心に鎮座する“水槽”と“機械”は、“思いも寄らぬもの”を吐き出し、閉ざされた島を耽美で不気味な因果の渦へと巻き込んでいく。
──これは、終わらない青春に取り憑かれた魔法少女たちと、
傷だらけの青春を抱きしめ、それでも前に進もうとする者たちの物語である