あらすじ
今日も、嗚呼、そう、今日も不気味な音を侍らせて、奴らは街を練り歩きます。鏡子の街を、あたかも己の街であるかのように。
境界を別つ者よ、身の程を知りなさいな。
境界を越えたい者よ、生き急ぎなさるな。
日ノ本に生きる者よ、決してこちら側を覗いてはなりませぬ。
私は安倍晴明の生まれ変わり。そう言われ、鏡子は目を開けました。
この産声を痛みをもって轟かせ、鏡子こそがあの世とこの世の境界に立つ。
だから、今日も請われて参りましょう。
この、怪異目録――その編纂こそが我が生涯の使命とあらば。
何人も、鏡子の前に、その目の色をもって立たせはしない。