あらすじ

9月6日、有楽町。地方移住相談会を出た若手記者は、赤字で書いた「三重県40%自治体消滅」のメモを胸に、居酒屋「源や」の暖簾をくぐる。冷房と焼き鳥の煙の中で、自治労の先輩に「数字じゃなく、人の皺を見ろ」と叱られる。店主の源さんは三重の漁村出身。過疎で郵便局すら自販機に変わった故郷を語りながら、手渡したのは「北山村プラごみ清掃ボランティア」のチラシだった。 消滅を告げる統計と、海の匂いを宿す塩辛や皺の手。割れたスマホ画面に映る自分の顔を見つめながら、記者は気づく。拾うべきは数字の影にある希望の断片であり、まだ終わらない夜の中に「消えないもの」が確かに息づいていることを。

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小説を読もう2025/09/07
  • 現在の作品9月7日、有楽町の夜に消えない手の皺