あらすじ
“貴種”と上位種族達の国に、一人の人間がいました。親の顔も知らないうちに森に捨てられて、偉大な龍の庇護の下すくすくと成長した下等生物ちゃんです。
龍の“ペット”として健やかに飼育されていた下等生物ちゃんは、とってもいい子だったので、みんなの人気者でした。龍が興味を失えば、次の飼い主に立候補することを考えているものすらいます。
優しい世界で育てられた下等生物ちゃんは、その生活を異常だと思うことなく、のびのびと育ちます。いつまでもこのまま飼われているのだと疑うことなく、それ以外の生き方も知らない下等生物ちゃんは、間違いなく幸福でした。
そんな下等生物ちゃんに、ある日転機が訪れます。人の国からやってきたやってきた戦士の集団、“パーティ”の人々が、偉大な龍に力を示したのです。龍はそんな彼らを気に入り、その溜め込んだ財宝の内一部を分け与えると言いました。
彼らは龍の財宝を選ぶため、その住処に向かいます。一つでも手に入れれば、一生遊んで暮らせるお宝が山のように転がる前に、下等生物ちゃんはいました。主である龍を待つ間、なにか役に立とうと番犬の真似事をしていたのです。
龍の住処にいる、みすぼらしい姿の同族を前に、彼らはひとつの決意をしました。“この哀れな同族”を、龍からの褒美にしようと。そうして、初めて会う自分以外の“人間”に驚いている下等生物ちゃんの意志とは無関係に、下等生物ちゃんの新しい人生が決まったのでした。