あらすじ
(登場人物 第1章)
●白川 和聖(しらかわ かずき) 二十八歳
冷凍餃子製造会社の三代目。
家業を継ぐことに抵抗を感じながらも、父の病をきっかけに一念発起。
靴下販売店での経験を活かし、JR駅前の一坪店舗で餃子を焼いて販売する事業を展開。
誠実で情に厚く、DIYで軽ワゴンを改造して婚前旅行に出るほどの行動力と優しさを持つ。
播州弁で語る人情味あふれる青年。
●稲盛 恵子(いなもり けいこ) 三十八歳
小説家。
取材帰りに偶然立ち寄った和聖の餃子店に感動し、記事に取り上げたことがきっかけで交流が始まる。
気が強く、物言いはストレートだが、繊細な感性を持ち、旅の中で小説のネタを記録する姿が印象的。
彼女の北海道に行ったことがないという言葉が、物語の旅のきっかけとなる。
年齢は和聖より十歳上だが、心の距離は次第に縮まり、旅の中で愛情が芽生えていく。
●白川 和聖の父
冷凍餃子製造会社の二代目。
病に倒れたことで、和聖が家業と向き合うきっかけを与える存在。
物語では直接の登場は少ないが、餃子の味と職人魂を受け継いだ象徴的な人物。
●白川 和聖の母
父の病を和聖に知らせる役割を担う。
家業を支えてきた存在であり、和聖の決断を陰ながら見守る。
●視覚障害の中国人男性(名前未定)
駅前で餃子を手に取り、「父の味がする」と語った人物。
感覚で味を感じ取るその姿が、和聖にとって大きな励みとなる。
物語の中で、職人の技と人の記憶が繋がる象徴的な存在。
◇◆◇◆◇
(第1章あらすじ)
「一坪の奇跡:冷凍餃子三代目、駅前からの逆襲」
白川和聖は、三代続く冷凍餃子製造会社の跡取りとして育てられたが、家業に魅力を感じられず、高校時代から靴下販売店で働き、やがてその会社のオーナー社長となる。家業は時代の波に押されて売上が激減し、倒産寸前。父の病をきっかけに、和聖は冷凍餃子を駅前の一坪店舗で焼いて販売するという新たな挑戦を始める。
SNSでの発信や試食イベントを通じて少しずつ注目を集める中、小説家・稲盛恵子との出会いが物語を動かす。彼女が餃子を記事にしたことで、和聖の店はさらに注目され、二人の距離も徐々に縮まっていく。
ある日、恵子が「北海道に行ったことがない」と語ったことをきっかけに、和聖は店で使っていた軽ワゴンをDIYで改造し、婚前旅行として北海道へ向かうことを提案。旅の中で訪れる洞爺湖や五稜郭、登別温泉などの名所を巡りながら、二人は互いの過去や価値観を語り合い、関係を深めていく。
夜の車内で交わされた会話では、恵子の不安と和聖の誠実な愛情がぶつかり合い、やがて恵子は「結婚を考える」ようになる。旅の終わりに向けて、二人の未来が静かに動き始める。
第2章の物語は、次章「北海道全土を巡る車旅」へと続きます。
作者のk-shirakawaは、これまでに47都道府県をDIY軽自動車で旅してきた経験を持ちます。
その中でも、北海道は特に思い入れのある土地でした。
本作の着想は、小説の師匠との交流の中で「北海道に行ったことがない」とコメント内で伺ったことがきっかけでした。
先生への感謝と敬意を込めて、物語の中で北海道の旅をプレゼントする――そんな想いから、この小説は生まれました。